医会長より

病院講師
池内 秀和
えらそうに指導医などといっていますが、もとはといえばただの人間です。立派な紙で出来た免許証はいただきましたが、一人で何もできるはずもなく、ビクビクしながら最初の患者さんを診察したのがつい昨日のことのようです。怒られ、褒められ、怒鳴られ、励まされ、いつの間にか指導する立場に立っています。
指導していただける方々には大変恵まれました。医師として、人として、どう患者さんと向き合い、どう治療していくのか。何をしなくてはいけないのか、してはいけないのか。時には人生の先輩として、または気のおけない仲間として、数えきれない言葉・助けをもらいました。指導医という言葉を聞いて、脳裏に浮かぶのはそういった方々の姿です。
自分が彼らと肩を並べられるような存在になったかどうかは疑問ですが、少なくとも何分の一かは自分を通じて受け継いでいってもらいたい。日々楽しく、面白く、時には苦悩しながらも、成長してもらいたい。医学はそうして発展してきた学問であり、そこに自らが関わる醍醐味を味わっていただきたい。
そうしたことを少なくとも自分のところに来た方々に体験してもらうことが、指導医としての自分の使命と考えています。もっと多くの研修医の方々に当科を選択してもらえばと思います。